スイート ジャッジメント 番外編

***

「なんだ、そんな事? 昨夜のとわの声、深刻そうだったから超焦った」

 苦笑いして湊は私の頭をぽんぽん撫でる。昨日の夜、寝る前に湊から電話が来たけれど、私はお母さんから聞かされた話のショックを引きずっていて、湊にすごく心配された。

 電話では上手く話せる気もしなくて、結局日曜日の今日、湊と会っている。

 駅で会ってから、話しながら歩いて足を止めたのは、駅からそう遠くない公園の池のほとり。少し離れたところで子供が歓声を上げながらパンを池に投げていて、私の近くにいたアヒルがものすごい勢いでパンに向かって突進していく。

「そんな事って。だって、私全然知らなかったんだよ? 会っちゃダメって言われたとか、そんな……厄介な事になってたなんて知らなかったの……。ごめんね。湊……あの時、ダメって言われたのに電話くれたんでしょ?」

湊は視線を私から逸らして、ふっと笑う。それは、少し自嘲気味でもあった。

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