でこぼこ。
彼との出会いは、図書室だった。
…図書室なんて、ありきたりかもだけど。
◇ ◆ ◇
あの日、私は友達の佑(ユウ)と、宿題になっていた美術の資料を探すために、図書室に来ていた。
「モネの資料無いねぇ。。」
「ウン…。どこだろう。」
そんな短い会話を終えると、私達は黙々と本を探した。
──コンッ
「痛ッ!」
私の頭に、何かが当たる。
「モネ…だっけ?」
「あ…うん。」
「コレ。」
と言って、私に一冊の本を手渡した男の子。
──それが、天君だった。
「あ、ありがと…?」
どこからこの本を…?
という気持ちを「?」に託す。
「偶然見つけただけだから。」
ニコッと微笑んだ彼の笑顔に、私はドキッとしてしまった。
「天ーーーッ!」
巳樹君の声が、天君を呼ぶ。
「今行くーーッ!」
そう言って去っていった彼の背中を目で追って。
だけどまだ、私の胸は高鳴ってて。
私の初恋は、この時始まったんだ──。
◇ ◆ ◇