でこぼこ。

彼との出会いは、図書室だった。
…図書室なんて、ありきたりかもだけど。

       ◇ ◆ ◇

あの日、私は友達の佑(ユウ)と、宿題になっていた美術の資料を探すために、図書室に来ていた。

「モネの資料無いねぇ。。」

「ウン…。どこだろう。」

そんな短い会話を終えると、私達は黙々と本を探した。

──コンッ

「痛ッ!」

私の頭に、何かが当たる。

「モネ…だっけ?」

「あ…うん。」

「コレ。」
と言って、私に一冊の本を手渡した男の子。
──それが、天君だった。

「あ、ありがと…?」

どこからこの本を…?
という気持ちを「?」に託す。

「偶然見つけただけだから。」
ニコッと微笑んだ彼の笑顔に、私はドキッとしてしまった。

「天ーーーッ!」
巳樹君の声が、天君を呼ぶ。

「今行くーーッ!」

そう言って去っていった彼の背中を目で追って。
だけどまだ、私の胸は高鳴ってて。

私の初恋は、この時始まったんだ──。


       ◇ ◆ ◇






< 4 / 50 >

この作品をシェア

pagetop