雅也の憂鬱な1日
 午後3時。一時の豪雨だったのか雨もすっかり上がり、また青空が戻った。


 夕方には帰ってくるって言ってたなー、彼女も疲れてるだろうし夕飯作ってみるか。


 読んでいた本を閉じソファから立ち上がると、キッチンへ向かった。


 作ってみるか、と思ったのはいいが一人で作るのは初めてだ……。いつも彼女の料理を簡単に手伝うぐらいだから……。


 カレーなら初心者でも出来るだろうと、冷蔵庫を開け材料を探す。


「何がいるんだっけ?人参、玉ねぎ、ジャガイモ……だけで良かったか?」


 ブツブツいいながら、とりあえずカレーに入れる材料を取り出した。


「ーーっ!!……あっぶね……」


 危なっかしい手つきで野菜を切っていく。


 ゴロゴロと大きく野菜を切り終えると、豚肉と一緒に鍋で炒める――。


 これで水入れてあとルーを入れたら完成だな。


 結構簡単だな。


 少し余裕が出てきて得意気に野菜を炒めていると、火の加減を知らない俺は見事に野菜達を焦がした。


「・・・」

 強火で炒めるものじゃないのか……。
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