雅也の憂鬱な1日
 それでもルーを入れれば大丈夫だろうと思い、カレーを完成させた。

「・・・」

 カレーってこんなんだったか?

 出来上がったカレーはいつもと違い何となく黒い気がする――。


 味見をすると、食べれないことはないが何だが後味が苦い気がした。


 作り直すか……。

 そう思いながら鍋のカレーとにらめっこをしていると、ガチャっと玄関が開く音がした。


 ――!!


 帰って来た!


 とりあえず鍋に蓋をして彼女を出迎える。


「お帰りなさい」


「ただいま」


 朝出ていったままの綺麗で可愛い彼女が笑顔でそう言うと、思わず抱き締めたくなる――。


「あれ?……なんかいい匂いしますね……カレー?」
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