私の中の深い闇
『嬉しい』

そう言って、私は直也君の向かいに座った。

直也君は、店員に、私がいたテーブルから、食事を運ぶように言ってくれた。

本当にジェントルマンなの。

『どこかで会いましたか?』

直也君の質問にドキッとした。

『え?…あっ、いいえ。初めてお目にかかります』

『すみません、なんだか、懐かしい気がして』

大丈夫よ、気付くわけないんだから、落ち着いて。

『そんなことより、お名前聞いてもいいですか?』

『直也です。佐々木直也。あなたは?』


名前…私は…





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