あの子を好きな君が好き

「さーて、今年の夏は何しようか!」

そして今日から夏休み。
高校2年生の夏休みなんて受験もまだだし
1番楽しいんだよって愛莉がいつも言ってた

今日は終業式で午前授業。

私たちはとりあえず近くの駅ビルに入った
ファミレスに向かうことにした


「うわ〜春校生多くない?」

私たちの春山高校の最寄駅にある
ファミレスなだけあって
私たちと同じように終業式後に
お昼ご飯を食べに来た生徒で溢れかえっていた


「タイミングよかったね!」
「んね!超ギリギリだった」

端の席に案内されて
一息つくと
タッチの差で更に混みだして
行列ができ始めていた。


「私オムライスプレート〜」

愛莉は即決でそう言うと
ケータイを触りだした

はぁ...本当こう言うとこだよね
私は優柔不断だからいつも待たせてしまう

「じゃ、私も同じのにしよっと」

愛莉はそんな私をみて
ふふっと笑った

いつもこう、結局は愛莉と同じにしてしまう
まぁそれで外れたことはないから
いいんだけどね


「お待たせいたしました〜」

しばらくして店員さんがオムライスプレートを
2つ両手に抱えてくると
眉間にシワを寄せて私たちをみた

「大変申し訳ないのですが、本日少々混み合っておりまして...こちらのテーブルと椅子少しずらして相席というような形でお客様ご案内しても宜しいでしょうか?」

あ、相席...?
確かに私たちの席はテーブル2つに椅子4つ
それぞれ離せるようになっていた、が、
スペースが広くないので
2対2に離したとしても距離はものすごく近い
つまりはほぼ相席という形なのだ


「私は別にいいけど、芽衣は?」
「あっ私も...大丈夫だけど」

と、言わざる終えない

だって店員さんがこんなにも申し訳なさそうに

しかも私だけ嫌ですなんて言える訳もない

「てことで、大丈夫です!」

「大変申し訳ありません!ご協力ありがとうございます!」

店員さんは安心したように微笑むと
あっという間に姿を消した

「ファミレスで相席って初めてね」
「ね〜...まぁ、食べるだけだし」
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