あの子を好きな君が好き
少しして

「すみません失礼致します」

さっきの店員さんと共にお客さんが来たようで

私たちはオムライスを食べながら
当たり前のように視線をあげた


...えっ、嘘でしょ


私は動揺のあまり持ったスプーンを
滑らせそうになったのを必死に堪えた


だってそこにいたのは

私たちと同じ制服を着た男の子2人

そのうちの1人、私の斜め迎え側
芽衣の隣側に座る彼は
私が密かに想いを寄せる男の子だったから。

2人は同じ制服を着た私たちにも気づいたのか
一瞬あっと目を合わせてから軽く会釈をして
でも何事もなかったように、談笑し始めた

私と愛莉も無言で目を合わせて苦笑い


でもこの状況が1番気まずいのは私。

だって愛莉はただ同じ高校の男子が横にいるってだけ、彼らもきっと同じ

私が彼のことを好きってことは
愛莉も知らない。

彼の名前は山下翔(やました しょう)くん。

私たちと同じ2年生。
クラスは確かB組で、私と愛莉はE組。

なんで私が山下くんを好きになったか

それは忘れもしない1年前のちょうどこの時期。


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