あなたを、海賊の僕が奪うから
香織は、いつものように双眼鏡を片手に立っていた。
「キャプテン。もうすぐ昼食ですよ?」
「だから、私に話しかけないで」
「だから、昼食をとらないとダメだって言っているでしょ?」
湊は、香織の腕を掴んだ。その温もりに香織の鼓動が早くなり、顔も赤くなる。
「香織、顔が赤いよ。可愛いね」
湊は、香織を見て意地悪そうに笑う。香織は「うるさい!」と更に顔を赤くする。
「僕さ。この間、お宝は香織だって言ったでしょ?」
「え?あ、うん」
「あの時、『冗談だ』って言ったけど…本当は、本気なんだ」
湊の顔は、珍しく赤い。香織は、それを見て驚いていた。
「僕、香織に初めて会った時から君が好き」
湊は、香織にそっと口付けをした。