チョコレート

お母さんと過ごした家を出るのは少し寂しかったけどもう先月涙が枯れるほど泣いたからか今は一粒だけで済んだ。



駅に向かい電車に乗って急行で3駅ほど。
って言ってもその間に駅がたくさんあるから
結構遠い。


私は都会っ子になるのね。


なんてボーッと窓の外を眺めた。



駅について改札を出るとスーツ姿の女の人が声をかけてきた。



「あなたが杏奈さん??」


「はい、そうですが。あなたは?」



「あ、申し遅れました。私、社長の秘書をしております鈴木と申します!」



気さくそうな若いお姉さんは鈴木さんというらしい。

ところで社長って?なんのこと?



「はぁ…社長??って??」


「??杏奈さんのお父様ですよ?」



と、不思議そうな顔で首をかしげるお姉さん。



え??


もしかして私の父親って社長なの??



どこの??なんていう会社の??




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