溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
送ると言われ、バーを出て冬の寒空の下、少し距離をとって歩く。

そろそろ、雪降るかな。

今年はホワイトクリスマスになるだろうか。

約束の期限まで一週間と二日。

「なあ、少しは意識してるか?」

前を歩く東雲さんが空を見上げて呟いた。

ドクン、と大きく心臓が跳ねる。

「、、、別に。」

してない。絶対してない。

全然、平気。大丈夫。

そんな言葉を呪文のように何度も繰り返して、まるで言い聞かせてるように。

「、、、そうか。じゃあー」

「な、なん、ですか」

急に振り返って、真ん中をギューッと鷲掴みするような目を向けた

ドッドッドッとけたたましい地響きが私の全身を、一気に駆け巡る。

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