溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
そうよ。

おかしいもの。

だから、お願い。もう終わりにして、、、

「怖いのか?」

スッと身体を離すと、そう言ってまた歩き出した。

「怖い?何がですか?」

「現実を受け入れるのが。本音をころして、お前はそれで幸せなのか?」

「なんのことですか?」

「お前、もう俺に堕ちてんだよ」

は?

何を言うのかと思ったら。

自信満々にそんなこと言われても、、、

第一、私には慶太がいる。

「そんなはずありません。自信過剰ですね。」

「素直になれば?」

「なってます。どこからその自信が沸いてくるのか不思議な位です。」

「お前の意地っ張りもな。」

「思ったことを言ってるだけです。」

「俺はお前を見たままを言ってる。」

「埒があかないですね。今日はタクシーで帰ります。それでは。」

このとき東雲さんは、どこか勝ち誇ったような、そんな顔をしていた。


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