溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
仕事帰り、いつものように慶太のいるバーへ。

「慶太ー、来たよー。」

開けると同時に声をかけた。

「お疲れさま。」

「今夜は混んでるね。」

「忘年会の二次会らしい。」

「あ、マスター、こんばんは」

「いらっしゃい」

そうか。

うちの忘年会は結局予定が合わなくて、新年会に持ち越しになったんだよなー。

まあ、元々忙しい職種だからあまり期待はしてなかったけど。

「希、クリスマスはうちに泊まる?」

耳打ちする慶太に頷く。

クリスマスは日中デートして、夜は慶太の仕事が終わるまで部屋で待って、その間にケーキを作ることにしていた。

プレゼントも用意しなくちゃ。

「慶太、クリスマス何が欲しい?」

「うーん、、、ベタだけど希がいればそれでいい。」

「欲がないね。」

「あるよ。希の心も全部独り占めしたいって思ってるから」

「私の心は慶太のものだよ。」







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