溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
いいスーツにネクタイ、シックな時計に靴。

どこからどうみてもジャンクフードに似つかわしくない。

「浮いてますね。」

「そうか?」

チラチラと周りを見てから、私へ視線を返した。

「ホテルのレストラン的な出立ちですよ。」

「案ずるな」

「そういう人でしたね。」

「ん?」

「いえ、なんでも。」

「そーいや、うまくいってるのか?」

「何がです?」

「それで分かれよ。察しろ」

あー、慶太とのことか。

それを聞いてどうするんだろう。

まあ、いいけど。

「うまくいってますよ。」

「、、、そうか。なら良かった」

その一瞬の沈黙はなに?

うまくいってないと言ったら何て答えたんだろう。

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