溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
東雲さんの運転する車に乗り、箱根までのガチ遠出。

都内からは車でだいたい一時間半ほど。

混んでなければもっと早く着くか。

「なんか雰囲気違いますね。」

「なに?惚れた?」

「またすぐそう茶化すんだから」

「狙ってるくせに」

「狙ってません。本当、なんなんですか」

「何が?」

「調子狂うというか、ペースが乱れます」

「いい傾向だなー。」

心なしか楽しそう。

二人で車に乗るのなんか出張以来。

あのときは私が運転して、ナビにあたふたする私を見て笑いながら東雲さんが仲介してくれたっけ。

なんだかんだで終始笑ってた気がする。

って、なに浸ってんだろう。

「混浴入るか?」

「いきなり何ですか。入りませんよ」

「だよなー。俺以外に見せたくないしなー。」

「飛躍しすぎですけど!」

「照れるなよ。」

「照れてませんからー!」

「あんまり興奮すると鼻血出るぞ」

「粘膜強いんで出ません」

「あはははっ。なにその返し。」


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