溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
ツボに入ったのか一人でずっと笑ってる。

てか、東雲さんてこんな風に口開けて笑ったりするんだ。

なんか、意外な一面を見たかも。

「あまり見られると削れる」

「は?穴あくなら聞いたことありますけど、削れるって何ですか」

「んー、より深い感じ?」

「理解し難いですね。」

「見惚れてたくせに、よく言うよ」

「、、、そんなんじゃ、ないです」

語尾が弱くなって、いつもの反撃が空回りした気分だ。

正直、意外な一面に翻弄された。

こんなにも激しく揺れ動くなんて、、、

想定外すぎる。

早く軌道修正しないと、元に戻れなくなってしまう。

それくらい、今本気で危ない。

景色を見て気持ちを落ち着かせようとしてたのに、またしても阻まれる。

「疲れてないか?週末で混んでるからな。予定時間オーバーしそうだ。寝てもいいぞ。」

さりげなくポンポンと頭を撫でられて、予想の遥か斜め上をいく行動に、もう成す術もなく、、、


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