溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
ダメ。

嫌だ。行かないで。

言葉より何より、走り出していた。

距離を縮めるために。

手を伸ばして、背中に抱きついた。

「おっ、、、おい、なんだ?」

「、、、ないで、、、」

「え?」

「行かないで。他の人のとこになんて行かないで」

勝手なのは百も承知

散々拒否して、慶太を選んでおきながら、ムシがよすぎるのも分かってる

だけど、、、止められない

欲しいと思ったら最後

「お前、、何言ってんの?」

「勝手でごめんなさい。」

「まったくだな。」

「、、、ですね。忘れてください。」

背中から回していた腕をほどかれて、真正面に向き合う。

「本当、厄介な女だ」

「、、、」

「面倒くさくて、頑固で、可愛げもなくて、」

「さっきから失礼なことばっかり」

「振り回されてムカついたからな」

「東雲さん、、、」

「なんだ?」

「あなたが欲しい」

「ほんと、いい性格してるよ、お前。」

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