溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
自覚してしまった。

口に出して伝えてしまった。

もう歯止めがきかない。

当初の宣言通り溺れて乱れて、喉から手が出るほど欲しい。

一晩中散々に躍らされて、糸を手繰り寄せるようにじっくり攻められた。

「、、、底無しの変態」

「目覚めの第一声がそれかよ。色気の欠片もないな」

「でも、、、満たされた」

「どっちが?」

「意地悪、、、」

「そういうの好きだろ」

「さあ?」

「お前も大概だな」

そっと抱き寄せると、瞼に優しくキスを落とした。

こんなベタベタに甘ったるい朝を迎える日が来るなんて、、、

なんだかまだ夢の中にいるようなフワフワした気持ちだ。

私を抱きしめて眠る東雲さんを、忘れないように目にも心にも焼き付ける。

今だけ、、、

もう少しでいい。

この時間を独り占めさせて。

目が覚めたら、ちゃんと彼女の元に返すから。


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