溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ

side東雲

大どんでん返しとはまさにこれか。

偶然会った店。

たまたま仕事関係の人と飲んでると、一人でフラりとやって来た。

なるべく仕事以外で関わることを避けてきたのに、今日は厄日かなんかか。

声をかけると一瞬驚いて、すぐにまた無表情に戻った。

飲み過ぎないだろうか、ちゃんと帰れるか、そんなことが頭を何度も過る。

楢岡が外に出たのを確認してから、俺もさりげなく席をたち会計を済ませた。

外に出て歩き始めると、前方にターゲット発見。

どうやら絡まれてる風だ。

酒のせいかほぼ無抵抗。

さすがに見逃せないと割って入った。

そのまま送り届けて飲み直すつもりが、度肝を抜かれる展開が待っていた。

「あなたが欲しい」

正直、戸惑いを隠せなかった

いい加減忘れようと思っていた矢先だったからだ。

けど、もういい。

自ら敵の陣地に踏み込んでくるとは、、、

それならもう、覚悟はいいか?

二度と離れてやらないからな。

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