溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
とどまるところ、コントロールされていたのは私で、敵を欺くにはまずは味方から、、、

それにまんまと嵌まった。

でも、それも悪くない。

「まー、正直言えば、もっと早くに落とせる筈だったんだがな。」

休憩中、煙草をふかしながら天井を仰いで呟いた。

「どんな案件よりも手こずりましたか?」

「お前が言うな」

「東雲さんに勝てるならいくらでも。」

「バカ言え。俺に勝てるのか?」

「最強弁護士さんですからねー。」

「少しは崇めろ。」

「崇拝したら、気軽に触れられないですよ?」

「俺が触れれば問題ない」

「そんなの屁理屈です」

「嫌なのか?」

「、、、本当、ズルい人、、、」

「いいから、お前は黙って俺に溺れてろ」

甘く囁いたあとのキスは、少し苦い煙草の味がした。

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