溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
午後、東雲さんと一緒に桜木エージェントへ挨拶に出向いた。

私は棚橋さんと定期的に来ていたので、社長はもちろん社員とも顔見知り。

いつも通りに挨拶をして、東雲さんと社長が面通りしたとき、ほんの一瞬だったけど社長の目がピクリと動いた。


「東雲 岳と申します。今後は私がこちらの顧問担当をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。」

「桜木 良寛です。こちらこそよろしくお願いいたします。」


なにかある。

絶対に何か、、、。

この二人、何を隠してるの?

東雲さんは顔色ひとつ変えないけど、社長はわずかだけど、表情を崩した。

終始、何かを探るような目つき。

ひとつでも綻びをみつけたら容赦なく追撃する。

お互いに引かない。

「本日はご挨拶をさせていただくだけでしたので、これで失礼いたします。」

「わざわざご足労感謝します。」

「では、、また後日」

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