溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
勢いよくクルリと背を向けて、ドアの方へカツカツとヒールを鳴らして歩き出した。

「生意気だな」

背後からボソッと吐き捨てる声が聞こえた

「え?」

振り向かなきゃ良かった

無視して喫煙室を出れば良かった

引き寄せられた身体はあっという間に、東雲さんの中に包まれて、強引に降り落とされたキスは煙草の苦い味がした。


何が起きた?

どういうこと?

なんで、私、この人にキスされてるの?

理解出来ない。

わからない。

どうして、、、?

思考回路がプツリと切れた私は、まともな考えなんか浮かぶわけもなく、ただ、何度も攻めこまれる唇と舌に翻弄されていた。

「、、、ンッ、、」

いやらしい声が漏れて、止まっていた思考が動き出した。

「ちょっ、、、嫌っ!!」

ドンっと両手で力いっぱい押し返して、乱れた息を整える。


「何で、、、こんなこと、、するんですか!信じられない。
相手の気持ち無視してするなんて、見損ないました!」


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