溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
昼休憩、気分転換も兼ねて外へ出た。

「楢岡さーん、待ってくださーい」

信号待ちしていると、後ろから駆け寄ってくる梶谷さん

あー、まだ何も聞いてないのに、、、

期待を孕んだその目が沈んでいくのは時間の問題。

「梶谷さん、私何も情報ない。ごめんね。」

聞かれる前に自白した。

沈むかと思った目はキラキラと保ったまま。

ん?

もしかして、自分で動いた?

「楢岡さん、私、約束取り付けました!思い切って良かったー。今夜会うんです。どうしよう、もう緊張してきた。」

「行動はやー。私必要なかったじゃないー。」

「本当は楢岡さんにお願いしようと思ってたんです。でも、喫煙室に一人でいるとこ見つけて、ちょっと頑張りました。」

「それは良かった。デート楽しんでくださいね。」

ニコニコと緩んだ笑顔は、もう完全に恋してる顔。

私もあの頃はこんな顔してたのかなー。



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