溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
誘惑のカクテル
明日は休みだし、ちょっと寄り道してから帰ろうかな

最近行ってなかったし、慶太のバーにでも顔出そう。

慶太は大地の親友で、大地が亡くなったときは色々と力になってもらった。

私にとっても大切な友人。

時々は連絡し合ってたけど、会うのは半年ぶり位か。

真っ黒のドアに白でファントムと英語表記されている。

「こんばんはー。」

中を覗くようにそおっと開けた。

「あ、いらっしゃい。久しぶりだね、希ちゃん。」

「マスター、お久しぶりです。」

「慶太ね、今来ると思うから座って待ってて。」

「ありがとうございます。」

マスターはちょいワルおやじという言葉がしっくりくる、女性の扱いも出てくるセリフもいつもスマート

天性のちょいワルだ。

私も何度ドキッとさせられたかなー。

でも、まだ早い時間だし誰もいなくて何だかホッとした。

ボッチだからね。

ワイワイしてくるといたたまれなくなるんだよね。

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