溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
もし私が慶太を好きだったら、こんなことでもいちいち赤面して、ドキドキするんだろうなー。

って、なに考えてんだろう。

チラッと慶太を見ると、女の子みたいなキレイな手で氷を割ってる。

右手にアイスピック、左手に大きな氷

「希、仕事どう?LINEでは忙しいばっかりって、言ってたけど、相変わらずか?」

「うん、だねー。忙しい。来月は金沢に泊まりの仕事もあるしさー。」

「泊まり?」

「うん。先生たちのお伴でね。」

「それってさ、女は希一人?先生は何人?」

「ははは。なに、その質問攻めは。先生は男二人で、お伴は私一人だよー。本当、やりづらいわ。」

「、、、心配。」

「大丈夫だよー。迷子にならないようにするし。」

無言になった慶太は、それから帰るまでの間ほとんど目を合わせずに会話もそれとなく。

どうしたんだろう、、、

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