溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
だけど、私は、、、

私の答えはただ一つ。

あの日からなにも変わらない。

「慶太、ごめん。気持ちは嬉しいけど、私、もう恋は、、、」

「希、俺は前に進んでる。いつまでもただの友人のままで終わりたくないから、現状を打破した。希はいつまであの日に囚われてる?」

慶太は揺るぎない心で私を見てる。

ずっと止まったまま時間を過ごしてるのは私だけ。

恋する気持ちはあの日、大地が亡くなった日に置いてきた。

もう二度と恋はしないと、、、

でも、それは間違いなの?

「慶太、私は何が正しくて何が間違いかも分からない。あの日、大地が亡くなって私の心も死んだ。恋をするのが怖い。また大切なものを失うのが何より怖い。だから、私は、、、」

ギュッと抱きしめられた身体は、ずっとそばにいてくれた慶太の優しい匂いと、温かい心に小さく震えた。

「俺はずっとそばにいる。希を一人にしない。一緒に前へ進もう?大丈夫だから。」

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