溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
個室のちょっとおしゃれなイタリアンぽいお店

ワインとチーズが出てきそう、、、なんてベタな感性しか持ち合わせてない。

白をベースとした店内は明るくて女の子が好きそう

デートで連れて来られたら嬉しくなるだろうな。

「で、仕事の話って何でしょうか?」

無駄な時間を費やしたくはないので、席につくなり口を開いた。

「お前、ほんと、色気ねーな」

「仕事の話と無関係です。」

はぁーと深い溜め息をつくと、頬杖をついて今度はマジマジとガン見してくる。

一体、この人は何がしたいのか、、、

相変わらず考えてることが読めない。

まぁ、別に分かりたくもないけど。

「仕事って言わなきゃ付いて来ないだろーが」

「騙したんですか、、、」

「口実だ。人聞き悪いな」

「同じことです。用がないなら帰ります。」

「あるから、ここにいる。」

面倒くさい。

この人の目的は何なんだろうか

「お前、俺のこと嫌いか?」

「へ?何ですかそれ。」

メニュー片手に視線はずっと私を捕らえたまま。

鋭い眼差しに奥深くまで飲み込まれてしまいそうになる。


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