溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
通話を終えて、戻ろうと思ったとき、背後から声がした。

「遅いと思って来てみれば電話かよ。」

私を見下ろす瞳はいつになく冷ややかに刺さる。

心配してくれたのか、、、にしても気配消すとか忍者じゃないんだから。

「すみません。でも、いきなり背後に立たれると怖いんですけど。」

「、、、あー、悪い。」

少しだけバツが悪そうに目を逸らすとそのまま踵を返した。

どうしたんだろう。

もしかして聞いてたとか?

でも、別にまずい内容なわけでもなかったけど。

まっ、いっか。

さ、私も戻ろう。

着いたら会場まで運転だから、眠って体力温存しておかないと。

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