溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
キスの余韻と告白
深いキスの余韻に浸るとか、そんなのは恋人じゃないからいらない。

これまで見てきた東雲さんの中で今ほど艶っぽくて、危険な目は初めてだと思う。

絡み付くように、もう逃げ道すら与えてはくれない、、、

猛々しい獣のようで、いつもみたいな威勢のよさも、まるで忘れてしまったみたいに反論すら消えた

「、、、好きだ」

憂いを含んだ唇が動く。

甘く痺れる感覚に、最早幻聴なんだろうと、微動だにしなかった。

ついに私の耳も役目を果たし終えたのか

「おい、人の告白無視か?」

ん?告白?

幻聴じゃなくて?

「、、、変な冗談ですよね?」

絞り出した答えがなんとも陳腐すぎる。

いつもの面白半分でからかわれてるだけだと思った。

好きになられる要素なんて、どこにもないし、皆目検討もつかない。

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