溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
ピッタリ一時間後、迎えに来てくれた慶太と歩いて数分のファーストフード店へ

「こういうの久しぶりかも」

「なんか、俺もそう思ってた。」

向かい合って座り、互いの顔を見ながら話す

なんてことない日常の一幕が今日はなんだか新鮮で、とても心地良かった

こんな時間もあっていい

「慶太、私慶太のおかげで今笑っていられる。これからは、私も慶太を笑顔にして支えていけるようになりたい。」

私の言葉に目を真ん丸にさせて、事の次第を把握するのに戸惑ってるらしい

「希、それって、もしかして、、、」

ようやく理解した慶太の顔は、初めて見る高揚で、私は思わず口をついた

「慶太、かわいっ」

「やめろ、ハズイ。そして、あんま見ないで」

「そう言われると見たくなる」

「なんだよ。あとで覚えてろー」

楽しそうに笑う慶太が、あの頃、、、大地がいた頃と同じに思えた。

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