溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
注文したアールグレイティーとホットサンドを胃に押し込んで、慌ただしく昼休憩が終わった。

梶谷さんから聞いたこと

真相を追求しようとは思わなかった。

どうせ何も変わらないし。

午後から東雲さんはクライアントに会うため、夕方までは戻らない

私は手付かずの雑務を黙々とこなしていた。

「楢岡ちゃん、この領収書お願いー」

「はーい。また随分溜めましたね」

「ごめん、つい忘れててさ」

宇治原さんはうっかりが多い。

本業はちゃんとしてるからいいんだけど、、、

「そうだ、忘年会の予約とった?」

急に思い出したらしく、棚橋さんが顔をあげる。


私はすかさず答えた。

「幹事は宇治原さんですよー。」

「あー、しまった!忘れてた!」

「おーい。大丈夫か?店取れなかったら宇治原の部屋で宅飲みだぞー。宇治原持ちで」

「えっ?それは阻止せねば!よし、楢岡ちゃん、予約頼む」

「宇治原さん、ズルイですよー。責任転嫁はダメですからね。」

< 95 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop