溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
宇治原さんのうっかりで、気持ちが軽くなったのを感じた。

でも、もう12月。

お店予約出来るかなー。

「お疲れ様です。戻りました」

「お疲れ様でした。」

九条さんと新見さんが出先から戻り、時計の針はいつの間にか16時を回っていた。

今日は残業決定だわ

「そういえば、さっき東雲さん見掛けたんですけど、なんか様子が変で、、、」

九条さんがカバンから資料を出しながら、クルリとみんなを見ながら言った。

「変て、どんな?」

棚橋さんが心配そうに目をしかめた

「タクシー乗り場にいたんですけど、乗らずにずっとベンチに腰掛けて、ボーッと遠くを見てる感じで。なんとなく、声もかけづらくて。」

「今日確か、クライアントと約束あったよな。
もう戻っていい時間のはずだし。」

「もしかして、クライアントと何か、、、」

「うーん、もう少し待って戻らないときは連絡いれてみるか。」


どうしたんだろう

仕事で躓くことなんて訳ない人が。


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