嘘つきは恋のはじまり
津田大地さんは桜井大地、私の知っている“だいちゃん”だった。

───そうだよ、咲良。

だいちゃんの声と柔らかく微笑んだ顔が頭の中を何度もリピートする。
その度に胸が高鳴って、まるで抑えることができない。
夢じゃない、よね?

だいちゃん。
だいちゃんなんだぁ。
だいちゃんも私のことを覚えていてくれてたんだ。

考えるだけで頬が緩んでしまって、過去最高に愛想よく受付業務をこなしている私がいる。
こんな風に出会えるなんて思ってもみなかった。
すごい。
すごいよ。
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