嘘つきは恋のはじまり
15時に事務所にDCシステムズの面々が戻ってきた。
受付に訪問者証を返却して、帰るのだ。
だいちゃんが訪問者証を私に手渡す。
何か言いたい。
でも言葉が出てこない。
ただじっと見つめることしかできない私。
その視線に気付いて、だいちゃんは声を潜めて言う。
「仕事は何時に終わるの?」
「17時…。」
「うん、了解。」
全員が訪問者証を返し、ペコリと頭を下げて事務所を出ていった。
ぼんやりと後ろ姿を見送っていた私に、亜美ちゃんが訝しげに声をかける。
「津田さん、どうかしました?」
「えっ、ううん。」
先程のやり取りを聞かれていたのではとドキリとしたけど、そうではないらしい。
「津田さん、かっこいいですよねー。合コンの時はまさかうちの会社と関わりあるなんて思いもよらなかったですけど。こういう会社内で会うのも新鮮で素敵だなぁ。」
「そうだね。びっくりした。」
「あ、もしかして受付初めてです?最近何度か訪問されてますよ。」
「え、そうなの?知らなかった。」
私がだいちゃんを受付したのは今日が初めてだ。
いつもは亜美ちゃんが対応してたんだ。
全然気が付かなかった。
受付に訪問者証を返却して、帰るのだ。
だいちゃんが訪問者証を私に手渡す。
何か言いたい。
でも言葉が出てこない。
ただじっと見つめることしかできない私。
その視線に気付いて、だいちゃんは声を潜めて言う。
「仕事は何時に終わるの?」
「17時…。」
「うん、了解。」
全員が訪問者証を返し、ペコリと頭を下げて事務所を出ていった。
ぼんやりと後ろ姿を見送っていた私に、亜美ちゃんが訝しげに声をかける。
「津田さん、どうかしました?」
「えっ、ううん。」
先程のやり取りを聞かれていたのではとドキリとしたけど、そうではないらしい。
「津田さん、かっこいいですよねー。合コンの時はまさかうちの会社と関わりあるなんて思いもよらなかったですけど。こういう会社内で会うのも新鮮で素敵だなぁ。」
「そうだね。びっくりした。」
「あ、もしかして受付初めてです?最近何度か訪問されてますよ。」
「え、そうなの?知らなかった。」
私がだいちゃんを受付したのは今日が初めてだ。
いつもは亜美ちゃんが対応してたんだ。
全然気が付かなかった。