嘘つきは恋のはじまり
帰る道すがら、今日も元気そうでよかったと一人胸を撫で下ろす。
母が入院したのは二週間前。
突然の出来事だった。
仕事中、父からの電話で一報を受けた私は、何事かと病院へ駆けつけた。
だけど母はいつも通り元気で、ベッドの上にいるものの体を起こしている。
ただ、左腕に一本細い点滴が繋がっていた。
たくさん検査をして、3日後に結果が出る。
その3日後、主治医から家族だけ呼ばれた。
これは大事だと身構えて、心の準備はしていったつもり。
けれど、主治医の言葉に私は言葉を失った。
余命3ヶ月の末期がんだった。
呆然とする私たち家族に、医師は言う。
手術ができれば、余命が伸びる確率が高い。
本人に余命を伝えるかどうか。
迷ったあげく、父が「秘密にしても母さんにはバレるだろう、隠さず真実を」と言うので、母にもきちんと伝えることになった。
医師が、「3ヶ月はショックが大きいので、6ヶ月と言っておきましょう。手術も考えていきましょう」と言った。
現実に起きていることなのに、私には全然実感がわかず、夢を見ているのではないかと思った。
母が入院したのは二週間前。
突然の出来事だった。
仕事中、父からの電話で一報を受けた私は、何事かと病院へ駆けつけた。
だけど母はいつも通り元気で、ベッドの上にいるものの体を起こしている。
ただ、左腕に一本細い点滴が繋がっていた。
たくさん検査をして、3日後に結果が出る。
その3日後、主治医から家族だけ呼ばれた。
これは大事だと身構えて、心の準備はしていったつもり。
けれど、主治医の言葉に私は言葉を失った。
余命3ヶ月の末期がんだった。
呆然とする私たち家族に、医師は言う。
手術ができれば、余命が伸びる確率が高い。
本人に余命を伝えるかどうか。
迷ったあげく、父が「秘密にしても母さんにはバレるだろう、隠さず真実を」と言うので、母にもきちんと伝えることになった。
医師が、「3ヶ月はショックが大きいので、6ヶ月と言っておきましょう。手術も考えていきましょう」と言った。
現実に起きていることなのに、私には全然実感がわかず、夢を見ているのではないかと思った。