“I've never been this much in love.”

「悠ちゃん、氷貰って来たから、これで冷やせよ…」



葵と昼食を食べに、大学を出た通りにある、行きつけの学生で賑わう喫茶店に来た。



喫茶店と言っても、学生向けのセットメニューが豊富な店。



安くて上手い喫茶店である。



行きつけなので、顔も名前も知っていて、葵に至っては、自分の身内のように親しくしている。



「あら？本当に赤く腫れてるね。悠ちゃん、彼女に叩かれたんだって？」



本日のＡランチを俺のとこに持って来て、顔をマジマジと覗き込む、この店のおばさん…というか、さとちゃん。



おばさんと呼ぶと怒る。



御主人と二人で営業しているこの店。



御主人は調理をして、さとちゃんは配膳。



「私が冷やしてあげようか？」



「……結構です」



「冷たいねぇ、悠君は。せっかく、さとちゃんが言って下さってるのに…。きっと、気が立ってるんだよね？」



葵の馬鹿野郎!!



「違うからっ!!…さとちゃん、有難う。気持ちだけ、貰う…」



「悠君、やだよぅ、もーう、おばちゃん、ドキドキしちゃうじゃないか!!」