俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」

結婚式会場に着くと、俺たちは先に来ているはずの小町とアレックスに会いに行くことにした。二人に会うのは久しぶりだ。

「まさか、こんな形で会うとは想像もしていなかったな…」

俺が呟くと、「意外だよね〜」とクリスタルが微笑む。

控え室の扉をノックすると、「どうぞ〜！！」とアレックスの元気な声がした。俺たちは笑いドアを開ける。

「アレックス、お前授かり婚なんてやるネ！」

「ていうか、二人って付き合ってたんだね！知らなかったよ〜」

リーとイワンがそう言いながら、アレックスの頭を撫でる。

「わあっ！！やめろよ〜。髪、ぐちゃぐちゃになっちゃうよ〜」

アレックスが無邪気に笑う。アレックスは、桜花国の花婿衣装である黒い袴を履いている。アレックスの和服姿は初めて見るが、よく似合っている。

「アレックス、おめでとう。突然で驚いたぞ」

俺がそう言うと、アレックスは「まあ、ジャックの脱獄とか暗いニュースの中で一番明るいニュースなんじゃない？」と笑う。

「それより〜…」

アレックスが俺の手を引っ張り、耳元に口を寄せた。

「次は、リーバスとクリスタルの番だね〜」

小声でそう言われ、体中が熱くなる。ニヤニヤと笑うアレックスを、「大人をからかうな！」と頭を刺激する。

「いって〜！！それが花婿にする態度！？」

「お前がおちょくるからだろう！！」

その様子を見て、イワンとリーが笑い出し、アレックスも笑う。俺はつられまいと我慢していたが、堪え切れなくなって笑ってしまった。