俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」
俺は「ありがとう」と微笑む。こんなに素晴らしい仲間に恵まれて、俺は幸せだ。世界平和対策本部の議長でよかったと思う。

俺のスピーチの番になった。俺はゆっくりと立ち上がり、壇上に立つ。

小町とアレックスは、結婚式の着物から違う着物に着替えていた。期待した視線が俺に向けられる。

クリスタルの方を見ると、口パクで「頑張れ!」と繰り返している。俺は深呼吸を一つしてスピーチを始めた。

「私は、アレックスと小町の友人です。二人とは、世界平和対策本部のメンバーとして出会いました」

優等生の小町と、問題児のアレックス。ここまで仲良くなれるとは、対策本部ができた当初は思っていなかった。

「世界が平和に今なったのも、二人の力があるからです。小町は真面目に会議に取り組み、世界の人々がどうすれば一つになれるのかをよく考え、そして学びました。アレックスは、考えたらすぐに行動を起こします。そのスピードは、誰よりも早く真似できるものではありません。そんな真逆のような二人ですが、人を大切にし、落ち込んだ仲間がいれば必ず優しい声をかけます。そんな二人が作る家庭は、きっと温かいものになるでしょう。アレックス、小町、結婚おめでとう」

パチパチ、と拍手が起こる。アレックスと小町は俺に笑顔を向けてくれていた。他の参列者からも、温かい眼差しを向けられる。成功してよかった……。

クリスタルの隣に座ると、「お疲れ様」と笑顔で言われる。嬉しくて、俺は「ありがとう」と言った。
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