俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」
「リーバス、幸せな家庭はね、優しさと思いやりでできているんだと思うよ〜」

クリスタルがそう言って俺の頭を撫でる。

「私も…そんな家庭を作りたいな…」

クリスタル、もう少しだけ待ってくれ。未来を誓う日は、特別な日にしたい。だから、準備期間をくれないか。すぐに用意するから…。

俺は心の中でそう呟きながら、まっすぐにクリスタルを見つめる。その意思が伝わるかはわからない。でも、少しでも何かが伝わってくれたら嬉しい。

クリスタルは、優しく微笑んでくれた。

「さ〜て！今から、お集まりの皆さんに感謝の気持ちを込めて、俺と小町で歌いたいと思いま〜す！！」

アレックスがそう言うと、歓声が会場に響く。

歌って飲んで、どんちゃん騒ぎの始まりだ。



小町とアレックスの結婚式から一週間後、私はリリーのカフェでゆったりとお茶の時間を楽しんでいた。

時刻は三時前。カフェは今日はいつも人で賑わっているにしては珍しく、この時間になっても空いている。

暇なためか、リリーがレモンティーを飲んでいる私の隣に座った。

「私も一緒にお茶していい？」

そう笑ってリリーはいつも間にか持っていたティーカップをテーブルに置く。

「私はべつにいいんだけど…。でも、リーバスが見たら絶対にこう言うと思う！」

「えっ？何なに〜？」

おもしろそう、と言いたげに笑うリリー。私は少し考え、リーバスが言いそうな台詞を考える。そして、声を低くして言った。
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