俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」
シンファから離れたかったのかもしれないネ。この時、私は気がついたんだヨ。私がシンファのことが好きだということに…。

だからこそ、離れたいと思ったんだ。シンファに恋人ができるところなんて、見たくなかったからネ。

「私、助産師になる!命が誕生する瞬間をお手伝いしたい!…だから、待ってて!!」

シンファはそう言って、私の手を離さなかった。私はこの時は、追いかけてくるはずないと思っていたヨ。でも、シンファは二年後に本当に私の通う学校に入学して来たネ。本当に驚いたヨ。

「私、ちゃんと来たでしょ?約束、守れたね!」

シンファにそう言われ、私は「本当に来るとは思わなかったヨ」と苦笑する。

「リー」

シンファが私の腕を掴み、歩く足を止める。

「何だ?お腹でも痛いのかイ?」

私がそう言ってシンファの顔を覗き込む。その刹那、時が止まった気がしたヨ。

シンファは私の頬を両手で包んで、私の唇にキスをしていたんだネ。

私の体が熱くなって、シンファの顔は赤くなる。その日、どちらからも「好き」とは言っていないけど、交際が始まったんだヨ。

私たちの交際は、順調に進んでいったネ。喧嘩をすることもあったけど、たくさん遊んでともに学んだヨ。

そして私は医師に、シンファは助産師の道に進むことになったんだヨ。

医師の仕事は、とても大変ネ。時にはどんなに出尽くしても助からないこともある。何度私は人の死を見てきたか数えることができなくなっていくんだヨ。
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