俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」
「……私が愛しているのは、リーバスだけ。それはこれからも変わらないよ」

唇を離した後、クリスタルは微笑む。

「俺も、愛するのはお前だけだ」

俺も微笑み言った。

幸せが心を満たしていく。フィリップのことなどもう目に映っていない。

「クリスタル王女!僕は諦めませんよ!必ずやあなたを手に入れます!!」

顔を真っ赤にして俺を睨みながら、フィリップは立ち去っていった。

しばらくその姿を見た後、俺はクリスタルの方を向いた。

「クリスタル、デートでもして帰ろうか?」

クリスタルの顔が明るく輝く。そして、抱きしめたくなるようなかわいい笑顔で、「うん!」と頷いた。

そして、手をつないで二人で歩く。

デートで俺は、クリスタルに星をモチーフにしたネックレスをプレゼントした。クリスタルにとてもよく似合っている。

「一生大切にするね!!」

そう言って、クリスタルは笑ったんだ。



その一週間後、世間は俺のことで騒ぎ出した。

俺は変装し、新聞を読んでいる。その新聞には大きな記事が載っていた。

「ジャック・グラス脱獄!!警察の捜査が始まった!!」

さあ、冷酷で素晴らしいショーの始まりだ。
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