俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」
しかし、二人の甘い空気はあるお客によって崩されることとなる。

「……クーン……」

耳に聞き慣れた鳴き声が聞こえ、俺とクリスタルは唇を離して首を横に傾けた。そこには困ったような顔を見せるベルがいた。

「ふふッ!あはは!」

クリスタルが久しぶりに笑った。俺もつられて笑う。ベルは相変わらず困った表情のままだが…。

「ベッド、行こうか」

クリスタルが体を起こし、俺の頰にキスをする。俺は「そうだな」と頷き、クリスタルをそっと抱き上げた。

初めてクリスタルを抱き上げた時は、クリスタルはとても恥ずかしがったのだが、今は慣れたように俺の体に腕を回す。

ベッドにクリスタルを下ろすと、またキスを始める。そして、さっきはできなかった服を脱がすということも始めた。

「……久しぶりだし、何か恥ずかしい……」

ボタンを外し、服を脱がせると、クリスタルの美しい白い肌があらわになる。俺はその体に何度もキスを落とした。

「ひゃっ!」

クリスタルが体をびくりと震わせる。それだけで、俺の心がクリスタルで満たされていく。

「……きれいだ。まるで、真っ白な百合の花のようだな」

クリスタルの頰や体が赤くなる。

「は、恥ずかしい…」

そう言って顔を手で隠すクリスタルの腕を俺は外し、「ダメだ。お前の顔をよく見せてくれ」と言った。クリスタルは恥ずかしそうな顔をしたまま、ゆっくりと頷く。
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