俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」
口喧嘩を少しした後、ロビンが真面目な顔になり言った。

「ねえ、今からちょっと出かけない?ロンとレミーも一緒なんだ」

孤児院から出かける必要がある時は、事前にモリーに言わなければならない。これは勝手に孤児院を抜け出すということだ。

リーバスは真面目な優等生として見られている。そのため、頭を抱えてしまった。ロビンやレミーはしょっ中無断外出をするが、リーバスはしたことがない。

「ロンも行くなんて、お前たち脅迫でもしたのか?」

ロンもリーバスと同じく、優等生として見られている。ロビンは笑いながら首を横に振った。

「そんなことはしてない!ただ、行き先を言ったら行きたいって言ってきた」

「どこに行くつもりなんだ?街か?」

ロビンは首を横に振り、孤児院に置かれている時計を見る。穏やかな夏の午後一時。ドリス国は夏でも涼しめだ。

「……時間がない。とにかく一緒に来い!!」

ロビンはリーバスを抱き上げ、孤児院の裏口に向かって走る。

「ちょっと待て!!何するんだ!!」

リーバスが暴れるが、びくともしない。一体どこに拘束する力があるんだ、とリーバスは不思議に思うほどだった。

裏口に二人が着くと、もうロンとレミーは来ていた。

「ロビンカッコいい!リーバス、お前女子に担がれるって情けない格好だぜ?」

レミーが口笛を吹いて言う。リーバスは恥ずかしくて何も言えない。

レミーとロンもリーバスとロビンの友達だ。よく一緒に行動している。
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