俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」
「ロビン、リーバスを下ろしてあげて」

ロンが少し緊張したような顔で言った。無断外出などしたことがないからだろう。緊張しているのは、リーバスも同じだ。許されない禁忌を犯してしまうような気がして、背徳感が募る。

「お前ら、こんなことして大丈夫なのか?」

ロビンに下されたリーバスは、説得しなければと口を開く。

「私とレミーは経験豊富だから、もう何とも思わない。あんたたちもそうなる」

そう言って、ロビンはリーバスの腕を掴んで歩き出した。リーバスは放そうともがくが、固く掴まれた腕は解けない。

「リーバス、無駄だから諦めなよ」

ロンが抵抗するリーバスの背中を押す。リーバスは不思議に思いながら、ロンに訊ねた。

「お前、優等生なのに何でこんなことをしているんだ?」

「来たらわかるよ!」

ロンはいつもの笑顔を浮かべ、レミーと話し始めた。

裏道を通って街に出ると、「駅に行く」とロビンが言った。

「駅?」

リーバスはわけがわからないまま列車に乗せられ、景色が建物が並ぶ街から、緑に囲まれた風景に変わっていく様子を列車の窓から眺める。

列車の切符代は、ロビンたちが払ってくれた。どこに行くのかはまだわからない。
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