あなたへの月
美里
─美里SIDE
私は小学3年の夏休み中にここにやって来た。
夏休み中だったからここの友達もいないし、あっちの友達も遠くて遊べない。
だから美里は毎日毎日1人で近くにあった公園で遊んでいた。
今日も1人で公園の砂場で遊んでいると…―
「…おいっ」
…?
誰かから呼ばれた。
「…お前…いつも1人だな」
だれ…?
この声…
不思議に思った美里は強い日差しの中、顔を上げた。
そこに立っていたのは…―
龍輝だった。
これが龍輝との初めての出会いだった…―