うそつきな彼は、わたし以外の人とキスしてる







走りながら、「だいすき」ともらす。



くーちゃんの家は、遠い。



はやく行かなきゃ、くーちゃんが怒っちゃう。



怒っていいのは、わたしのはずなのに。



すれ違ったカップルが、幸せそうに手を繋いであるいていた。



わたしだって、あんなふうに。



あの女が、くーちゃんとキスしてたあの女がしてもらっていたことを、くーちゃんにしてもらって。



そのときの感想が、わたしの方がいい、ってものじゃなきゃ……許さないよ?



「ついた……」



ドキドキしながら、チャイムをならす。



口角をあげながら、外にでてきたくーちゃん。



「急にどうしたの?」



その明るい笑みは、ニセモノ?ホンモノ?
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