硝子の恋

回る歯車

私山下鏡子。

高校2年生。成績は中の下……かな?

鏡みたいな正直な人間になりなさいなんて親は言う。

でも、

それって悪いことも映しちゃうんだよ?

それっていいことなの?

世の中には悪いことがいっぱい。

それまで映しちゃったら、私の心の中、真っ黒になっちゃうよ?





私は私が嫌い。

かわいくないし、器用でもない。

それにね。。。

ナイショなんだけど、私いじめられてアムカしてるの。

ナイショだよ?

何で手首じゃなくてウデなの?って思った?

だってウデなら隠す方法いくらでもあるじゃん。

夏セーラーだって長袖あるし、七分袖の服着ちゃえばばれないし。

それにね、ウデなら、ばれたとき「ネコにひっかかれた」って言えばたいていの人は納得してくれるの。



私、血のにおいが好きなんだ。

あの、鉄のさびたようなにおい。

あのにおいを嗅ぐと落ち着くの。

私、変かな?

でも、腕を切る痛みとそのにおいが私を救ってくれるの。





……きっと私は変なんだ。
< 2 / 52 >

この作品をシェア

pagetop