硝子の恋
真っ黒な鏡の私は、放送部と生徒会とを掛け持ちです。

こう書くと優等生っぽいな。

でも違うの。

放送部は教室に居場所がない私のお昼ご飯の食べる場所。

先輩達が輪を作って食べてるはじっこで、私はもそもそとお昼ご飯。

ちょっと寂しいけれど、わいわいさわがしい教室で一人ぽつんと食べるよりはまし。

……それに教室にいたら何をされるか分からないし。

先輩の中には男の先輩も一人いる。

黒崎先輩だ。

黒崎先輩は元生徒会役員でもある。

ぶっちゃけ私が生徒会に入ったのは黒崎先輩がすすめたから。

別に仲良くなんかはないけれど、何となく数が欲しくて誘ったってのが正解っぽい。

でも、そのおかげで放課後は寂しく帰る事なく生徒会によれる。

生徒会には違うクラスの友達がいたから。

まだあんまり仲良くはないけれど、普通にしゃべってくれるし、仲間はずれにもしない。

三年生が引退した今は、美術部で生徒会長の誠正(まこと ただし)が生徒会業務を引き継いでいる

……とは聞こえはいいけれど、実のところ、生徒会なんて先生の都合のいい駒。

私の学校は馬鹿だから生徒会には権限はありませーん。

先生の言うことを聞いて、生徒の愚痴を聞いて、真ん中板挟みが私たちの生徒会。

だから生徒会嫌いの生徒も結構いる。

でも、それでも、私は生徒会が好きなんだ。

私も会計監査なんて重苦しい役職だけれど、実際は先生がやっていることを私がパソコンに打ち込んで、生徒用の書類を作ればいいだけ。

まぁいいけどね。

ここでは無視されることもいたずらされることもないし。みんなやさしいし。

< 3 / 52 >

この作品をシェア

pagetop