硝子の恋

これは藤井さん達の宣戦布告なんだろうか?

私の周りの人も傷つけるよーって事?

だったら、私はどうすればいいのだろう。

家に帰ってもずっとずっと考えていた。

それでも答えは出ない。

生徒会と美術部を辞める?

そして1人になったら藤井さん達は満足?

ダメだ。

生徒会は私は一応、会計監査という役職持ちだし、美術部も、今辞めたら誠君が藤井さん達に何するかわからない。

私は青と緑のグラデーションのカッターを机の中から出した。

……私のアムカ用のカッター。

しゅっと軽く皮膚をなぞると、赤い線ができた。

そしてじわじわと丸く浮き上がってくる赤い血。

生きている。

当たり前だけど、こんな事でしか確かめられなかった。

どうすればいいんだろう?

学校も、バイト先も、私にとって居づらい場所になってしまった。

止めるのは簡単。逃げるのも簡単。

でも、藤井さん達のせいで、自分の人生がめちゃめちゃになるの?

そんなのイヤだ。

またカッターの刃をウデに当てる。

イヤだ

イヤだ

イヤだ

もう全部がイヤだった。

助けを求めたくても、助けてくれる人がいない。

ううん、いないんじゃなくて、助けてくれる人も巻き込むことになる。

ガマンしなくちゃ。今は冬。4月になれば3年になる。

3年の後半は自由登校だし、いじめは少なくなるはず。

それに受験とかで忙しいし、もしかしたらいじめられなくなるかもしれない。

でも……

私はいつまで逃げていくつもりなんだろう……
< 52 / 52 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop