もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜



今は唯香が俺に乗っかる形になっているが、一気に押し倒したい衝動に駆られる。


「ご、ごめん……怒った?」

俺のほうを心配そうに見つめるその表情がかわいくて。

さらに意地悪したくなる。


「そりゃあな、怒るだろ」


だが思った以上に低い声が出てしまったばかりに、唯香はビクッと肩を震わせた。


「ご、ごめん……健斗、怒らないで」

俺が怒っていると完璧に勘違いした唯香が、少し上体を起こしてじっと見つめてきた。



ダメだ、いちいち動作がかわいくて理性を揺さぶられる。


「無理」

かわいすぎて、本気で無理。

< 110 / 269 >

この作品をシェア

pagetop