もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜



かと思えば、その近い距離に頬を赤く染めて。

「これだけで恥ずかしいのか?」
「だ、だって近いから……」


いつもとは違う、照れた唯香がなんだか新鮮だった。


女の表情をする唯香を見れて、心穏やかなわけがない。



「これで終わりだと思う?」
「……っ」


俺の遠回しな質問に、意味がわかったらしい唯香はさらに頬を赤く染めた。

俺の気持ちには気づかないくせに、こういうことだけは伝わるようだ。


そのくせ、嫌でも抵抗しない。

また泣かれたら嫌だったから、今回は一度だけその唇にキスを落とした。

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